こんな疑問、持っていませんか?
- 新NISAで保有している株を売りたいけど、枠はなくなるの?
- 一度売ったら、またNISAで買い直せなくなるの?
- 年間360万円の枠って、売却後どうカウントされる?
結論から言うと、新NISAで売却した分は、翌年以降に非課税枠が復活します。ただし仕組みが少しわかりにくいので、この記事で整理します。
20代会社員の筆者は、新NISAの成長投資枠で個別株とインデックスファンドを保有中。ポートフォリオ合計の含み益は+152,949円(2026年6月時点)になりました。売却ルールを理解したうえで、どう使うかを考えています。
この記事では、売却後の枠復活の仕組みを具体例で解説します。
新NISAで株を売ると枠はどうなる?【結論:翌年以降に復活する】
新NISAは、売却した商品の「取得価格(簿価)」分の枠が、翌年以降に再利用できます。
たとえば、成長投資枠で100万円分の株を購入し、後日売却した場合——
- 売却した年(当年):その100万円分の枠は当年は回復しない
- 翌年以降:100万円分の枠が戻り、再び新NISAで投資できる
旧NISAは「一度売ったら枠が消える」仕組みでしたが、新NISAは違います。生涯にわたって非課税枠を再利用できるのが最大の違いです。
復活するのは「翌年」から
売却した当年は枠が戻りません。
年間投資枠(360万円)とは別に、「生涯非課税限度額」の枠が翌年に復活するという仕組みです。年間枠を使い切っていなければ、同じ年に追加投資は可能ですが、売却分が上乗せされるわけではありません。
📌 ポイントまとめ
- 売却当年 → 年間投資枠は変わらない
- 翌年以降 → 売却した取得価格(簿価)分の生涯枠が復活
- 再投資に上限なし(生涯1,800万円の範囲内で何度でも利用可能)
新NISAの「生涯1,800万円」と簿価残高の仕組み
新NISAには2種類の枠があります。
| 枠の種類 | 年間上限 | 特徴 |
|---|---|---|
| つみたて投資枠 | 120万円 | 投資信託の積立専用 |
| 成長投資枠 | 240万円 | 株・投資信託など幅広く対応 |
| 合計(年間) | 360万円 | — |
| 生涯非課税限度額 | 1,800万円 | うち成長投資枠は1,200万円まで |
ここで重要なのが「簿価残高」という考え方です。
簿価残高とは、今NISAで保有している商品の取得価格(買った金額)の合計のこと。現在の評価額ではなく、購入時の金額で管理されます。
生涯1,800万円というのは、この「簿価残高の上限」です。
売却すると簿価残高が減り、枠が翌年復活する
100万円で買った株が200万円に値上がりして売った場合——
- 減る簿価残高:100万円(買った金額)
- 翌年に復活する枠:100万円分
- 利益の200万円では計算しない
つまり、値上がりしても枠の計算は購入時の金額ベースです。利益が大きくても、枠の回復は同じ。
具体例でわかる「翌年枠復活」の流れ
実際の数字で確認してみます。
【設定】生涯枠1,800万円のうち、すでに成長投資枠で300万円を使用済みのケース。
| 時期 | 操作 | 簿価残高 | 残りの生涯枠 |
|---|---|---|---|
| 保有中 | 300万円分保有 | 300万円 | 1,500万円 |
| 当年12月に売却 | 100万円分を売る | 200万円 | 1,600万円(翌年以降) |
| 翌年から | 再投資可能 | 再投資額が加算 | 100万円分を再利用できる |
売却した当年は「年間360万円枠の残り」で追加投資は可能ですが、売却による枠の上乗せはありません。翌年になって初めて、100万円分の生涯枠が空きます。
新NISA売却時の注意点3つ
① 損失が出ても損益通算・繰越控除はできない
新NISAで保有している株が値下がりして損失が出た場合、課税口座(特定口座・一般口座)の利益と相殺(損益通算)することはできません。
課税口座なら「A株で10万円の損、B株で10万円の利益→税金ゼロ」が可能ですが、NISAの損失はこの計算に使えません。
含み損が出ている状態で売却すると、「損した金額分の枠を消費した」ことになります。慎重に判断しましょう。
⚠️ 含み損での売却は要注意
たとえば100万円で買った株が70万円に下落した場合、売却すると簿価100万円の枠を消費し、30万円の損失が確定します。その損失は翌年の利益と相殺できません。
② 年間枠の「使い残し」は翌年に繰り越せない
年間360万円の投資枠は、その年に使わなければ消えます。
「今年は200万円しか使わなかったから、翌年は520万円まで使える」は不可。毎年の上限は360万円固定です。
③ 同一年内の「売って買い直し」には枠の追加がない
たとえば1月に成長投資枠で240万円を使い切った後、6月に売却しても、その年の枠は変わりません。
買い直したい場合は翌年まで待つのが原則です。
20代が新NISA株を「売るべき」タイミングとは?
長期投資が基本とはいえ、売却が適切なケースもあります。
ケース1: 投資先の事業環境が大きく変わったとき
買った当初と比べて、企業の事業や業績見通しが根本的に変わった場合は見直しの余地があります。
20代会社員の筆者も、個別株は「なぜ買ったか」を常に意識するようにしています。保有中のファナックは+61.3%(+3,070円)の含み益があり、産業用ロボットの成長シナリオが続く限り保有継続の判断です。
ケース2: 別の銘柄・ファンドへ乗り換えたいとき
NISAの枠は有限なので、「より有望な投資先に資金を移したい」という判断も合理的です。
ただし、売却した当年は枠の回復がないため、年初や翌年の枠復活後に再投資するのが効率的です。
ケース3: 緊急でお金が必要なとき
NISAの資産は「いざとなれば売れる」安心感があります。
ただし、生活防衛資金(3〜6ヵ月分の生活費)は別口座に現金で確保しておくのが基本。緊急でNISA資産を売ることがないよう、普段から準備しておくのが大切です。
よくある質問(FAQ)
Q. 新NISAで売った分は、いつから再投資できますか?
A. 翌年1月1日から、売却した「取得価格(簿価)」分の生涯枠が復活します。たとえば2026年中に売却した場合、2027年から再利用できます。当年の年間枠(360万円)の余りがあれば同年中の追加投資は可能ですが、売却分の上乗せはありません。
Q. NISAで損が出た場合、枠はどうなりますか?
A. 損失が出ていても、翌年に「取得価格(簿価)」分の枠は復活します。ただし確定した損失は、課税口座の利益とは相殺できません(損益通算不可)。枠の計算は損益とは独立しています。
Q. 新NISAで売却後、同じ証券を買い直せますか?
A. はい、可能です。ただし翌年以降の枠で再投資することになります。当年は枠の回復がないため、売却後すぐに買い直す場合は年間360万円の残枠内に限られます。
Q. 旧NISA(旧一般NISA・旧つみたてNISA)での売却も同じルールですか?
A. いいえ、旧NISAは売却しても枠が復活しません。枠の復活ルールは2024年以降に開設した「新NISA」のみの特徴です。
まとめ:新NISAの売却ルールは「枠が翌年復活する」
この記事のポイントを整理します。
- 新NISAで売却した分の「取得価格(簿価)」は、翌年以降に生涯枠として復活する
- 当年の年間360万円枠は、売却しても回復しない
- 損失を出しての売却は、損益通算ができないため慎重に
- 再投資したい場合は、翌年の枠復活を待つのが効率的
- 緊急時の売却に備え、生活防衛資金は別途確保しておく
| 比較項目 | 旧NISA | 新NISA |
|---|---|---|
| 売却後の枠復活 | なし(消える) | 翌年以降に復活 |
| 生涯投資上限 | なし(期間制限) | 1,800万円(簿価) |
| 損益通算 | 不可 | 不可 |
新NISAは「売っても枠が戻る」という柔軟性があります。長期投資が基本ですが、ライフイベントや投資方針の変更に合わせて売却・再投資できるのは大きなメリットです。
【免責事項】本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品への投資を推奨するものではありません。投資にはリスクが伴います。最終的な投資判断はご自身の責任でお願いします。
