NISAで積立を始めようとしたとき、こんな疑問は出てきませんか。
- オルカン・S&P500・NASDAQ100、どれを選べばいい?
- 「信託報酬」ってよく聞くけど、実際どのくらい影響するの?
- コストが高いファンドと安いファンド、長期でどれだけ差が出る?
結論から言います。NISAのファンド選びは「信託報酬の低さ」で8割決まります。
20代の筆者は現在、ニッセイNASDAQ100インデックスファンドをNISA成長投資枠で積み立て中。含み益は+67.6%(+113,677円)。信託報酬0.2035%という低コストファンドを選んだことが、着実な資産形成につながっています。
この記事では、信託報酬の仕組みを解説します。「積立30年で差が100万円以上になる理由」と低コストなファンド3選もあわせて紹介します。読み終えると、信託報酬を軸にしたファンド選びの基準が明確になります。
信託報酬とは?知らないと積立が損する理由
信託報酬とは、投資信託を保有し続けるだけでかかる年間の管理費用です。残高に対して自動的に差し引かれるため、自分で支払う意識はほとんどありません。しかしこれが長期積立の結果に大きく影響します。
たとえば信託報酬が年0.05%のファンドと、年0.50%のファンドがあったとします。100万円を保有していると、年間のコスト差は4,500円。1年で見れば小さな差です。
ところが積立期間が長くなるほど、複利でコスト差が広がっていきます。次のセクションで具体的な数字を見ていきましょう。
信託報酬と購入時手数料は違う
購入時手数料は買うときだけかかる費用です。最近はほとんどのファンドが「ノーロード(手数料無料)」になっています。一方、信託報酬は保有している間ずっとかかり続けるため、長期投資では信託報酬の差のほうが圧倒的に重要です。
信託報酬の差が30年でどれだけ変わるか(シミュレーション)
毎月3万円を30年間積み立て、運用利回りを年5%(信託報酬前)と仮定してシミュレーションしました。
| 信託報酬 | 30年後の資産額 | 最安との差 |
|---|---|---|
| 0.05%(最安水準) | 約2,474万円 | — |
| 0.15%(差0.1%) | 約2,427万円 | 約47万円の損失 |
| 0.50%(差0.45%) | 約2,278万円 | 約196万円の損失 |
※毎月3万円・年利5%(信託報酬差し引き前)・30年積立のシミュレーション。実際の運用結果は異なります。
月3万円の積立でも、信託報酬0.45%の差が30年後に約196万円の差になります。積立額が月6万円なら同条件でこの差は約390万円に広がります。
コストは「確実にリターンを削り続ける要素」です。運用利回りは誰にも予測できませんが、コストだけは事前に確定しています。だから信託報酬を最初に見るべきなのです。
20代の筆者が選ぶ低コストNISAファンド3選
信託報酬を比較したうえで、実際に選ぶべきファンドを3本紹介します。
| ファンド名 | 信託報酬 | 対象指数 |
|---|---|---|
| eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン) | 0.05775% | 全世界株式 |
| eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 0.09372% | S&P500(米国500社) |
| ニッセイNASDAQ100インデックスファンド | 0.2035% | NASDAQ100(米国テック100社) |
① eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)│最初の1本に最適
信託報酬0.05775%は国内最安水準のひとつです。全世界の株式に分散投資できるため、「どこの国が伸びるかわからない」という不安を解消できます。
「とりあえず何か1本」という人はオルカンで迷いません。受益者還元型の仕組みを採用しており、残高が増えるほど信託報酬がさらに下がる設計も魅力です。
② eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)│米国成長を低コストで取り込む
S&P500はアメリカの主要500社に連動する指数です。GAFAMをはじめとした世界最大級の企業群に、信託報酬0.09372%という低コストで投資できます。
筆者が積み立てているNASDAQ100はより米国テック株に集中しているため、リスクが高い分類です。分散を重視するならS&P500のほうが安心です。
③ ニッセイNASDAQ100インデックスファンド│筆者が実際に保有するファンド
筆者がNISA成長投資枠で積み立てているのがこのファンドです。含み益は+67.6%(+113,677円)。NASDAQ100に連動するため値動きは大きいですが、長期の成長期待から選びました。
2026年6月に日経平均が急騰した局面でも、筆者はファンドの追加購入はせず積立を継続しました。「上がったから買い増す」のではなく、毎月一定額を積み立てるドルコスト平均法を守ることが長期投資では大切だと実感しています。
信託報酬0.2035%はオルカンより高めですが、NASDAQ100の性質上このコスト帯は許容範囲です。ただしリスク許容度が低い人には、オルカンかS&P500を勧めます。
信託報酬以外にも確認すべき3つのポイント
信託報酬が最重要ですが、それ以外にも見ておきたいポイントがあります。
① 純資産総額が100億円以上あるか
純資産総額が少なすぎるファンドは「繰上償還(強制終了)」のリスクがあります。最低100億円、できれば1,000億円以上が目安です。上記3ファンドはいずれも数千億〜数兆円規模のため問題ありません。
② つみたて投資枠対象かどうか
金融庁が基準を審査したファンドのみがつみたて投資枠で買えます。成長投資枠とは対象ファンドが異なります。「つみたて投資枠対象」のラベルがあれば、長期投資に適した設計といえます。オルカン・S&P500はどちらも対象です。
③ 指数への連動精度(トラッキングエラー)
ファンドが目標とする指数(ベンチマーク)からどれだけズレているかを示す指標です。数値が小さいほど優秀です。eMAXIS Slimシリーズは連動精度が高く、長期保有に向いています。
よくある質問(FAQ)
Q. 信託報酬が安ければ安いほどいい?
A. 基本的にはそうですが、「信託報酬だけ」で判断するのは避けましょう。純資産総額が小さすぎると繰上償還リスクがあります。信託報酬が低くて純資産総額も大きいファンドを選ぶのが正解です。上記3本はいずれもその条件を満たしています。
Q. 新規上場株(個別株)に信託報酬はある?
A. 個別株に信託報酬はありません。証券会社の売買手数料を確認します。筆者は2026年にスペースXが上場した際も、米国個別株は購入せずNASDAQ100の積立を継続しました。話題の銘柄に飛びつくより、低コストで分散する積立を続けるほうが再現性が高いと判断したからです。
Q. 信託報酬は途中で変わることがある?
A. あります。eMAXIS Slimシリーズは「他社が引き下げたら追随する」方針を掲げており、過去に何度も引き下げています。基本的には下がる方向ですが、目論見書で最新の信託報酬を確認する習慣をつけましょう。
まとめ│信託報酬を制すれば積立NISAを制す
- 信託報酬は保有中ずっとかかる年間コスト。購入手数料よりも長期では影響が大きい
- 月3万円・30年積立なら、信託報酬の差0.45%で約196万円の差が生まれる
- おすすめ3選はオルカン(0.05775%)・S&P500(0.09372%)・ニッセイNASDAQ100(0.2035%)
- 信託報酬以外は「純資産総額・つみたて枠対象・連動精度」の3点を確認する
- 筆者はNASDAQ100を積み立て中。含み益+67.6%(+113,677円)で長期継続が成果に繋がっている
| 選ぶポイント | 確認方法 |
|---|---|
| 信託報酬 | 目論見書・証券会社サイトで確認 |
| 純資産総額 | 100億円以上を目安に |
| つみたて投資枠対象 | ラベル表示を証券会社サイトで確認 |
「どのファンドを選ぶべきか」で悩む時間より、一刻も早く始めて長く積み立てることのほうが重要です。信託報酬の低い1本を決めたら、あとは淡々と続けるだけです。
【免責事項】本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任においてお願いします。投資にはリスクが伴い、元本が保証されるものではありません。